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第21回病院祭 ドクターヘリが飛来しました (前半/着陸・搬送訓練編)

整形外科部長 津吉秀樹(フライトドクター)

10月14日(土)、私が勤務している柏崎総合医療センターで病院祭が開催され、病院を市民に開放してさまざまなイベントが催されました。病院開設許可80周年で、例年より気合いが入ってました。今年の目玉は長岡ドクターヘリの特別参加です。

 10:25、病院駐車場にドクヘリが着陸、1時間の滞在時間の間に、傷病者搬送訓練、ヘリスタッフによる解説、ヘリ見学&搭乗体験、そして離陸。その前半、搬送訓練の記録です。ヘリイベントの発案、企画、訓練シナリオ、当日のフライトドクター、全部私、自作自演です(笑)

病院内ステージでの保育園児のお遊戯が終了直後、院内放送が入る。

院内放送
「訓練放送。訓練放送。交通事故で多数の傷病者が病院に運ばれ、DMATがトリアージをしています。重症者1名を他院にヘリ搬送します。ドクターヘリに出動を要請しました。傷病者を救急車で駐車場に移送してください。」 

ナレーション
「ドクターヘリ見学の皆様、これより訓練が開始されますが、ドクターヘリ着陸に伴い消防の方や病院スタッフが安全面を確認しております。指示された場所以外での見学は大変危険ですので、必ず指示された場所でご覧ください。また、小さなお子様連れの方も子供から目を離されないようお願い致します。」

救急隊と病院医師(羽入副院長)、DMAT2名、そして重症傷病者を乗せた救急車は病院から駐車場に移動する。病院祭に来訪した人々も続々と駐車場に集まってくる。広く着陸スペースを取った病院駐車場ではミスチルのHANABIが流れていてドクターヘリ来訪の期待をあおっている。救急車が駐車場に入りサイレンを鳴らして観客の前を通る。そして、救急車の移動と同時に、遠くの空からローター音が聞こえ、ドクターヘリが姿を現す。近づいたヘリは救急車が停車するのを上空でホバリングしながら待ち、そして着陸。ダウンウォッシュ、風が舞う。


メインローターが止まり、救急車からはストレッチャー(車輪付き担架)が出てくる。病院医師とDMATは傷病者の病状を確認、見守る。整備士の安全確認後、ヘリのスライドドアが開き、フライトドクター(以下FD)2人とフライトナース(以下FN)が降り立つ。DMATが「こっちです!」手を振る。誘導されFD、FNは駆け寄る。

FD1「長岡ドクターヘリフライトドクターです。傷病者情報をお願いします。」
医師「安達さん(仮名)、38歳男性。骨盤骨折と腹腔内出血、右大腿骨開放骨折。血圧低下してますが意識清明。酸素10L投与中。ライン確保し点滴全開で安定化を図っています。ヘリ搬送をお願いします。」
FD1「了解しました。」

FNとFD2が協力して診察。

患者「痛い。いてぇよぉ〜!」
FN、FD2「安達さん?安達さん!」
患者「……。」
意識レベル低下、呼びかけに答えなくなる。
FN「先生!意識レベル低下。脈も弱くなってます。」
FD2「心停止。VFです!」
FD1「ストレッチャー低くして!」

救急隊がストレッチャーを(心臓マッサージ(心マ)しやすいように)下げる。FN、すぐに心マ始める。FD1、気道確保。

FD1「AEDとバッグバルブマスク(BVM)持ってきて!」
救急隊とDMAT「はい!」

FD1はBVMを受け取り呼吸管理。FNは心臓マッサージを続ける。心マ30回呼吸2回。

FD2 はAEDを準備、機械音声に従ってパッド装着。

AED「身体にさわらないでください。心電図を調べています。」

蘇生中断。皆、身体から離れる。

AED「身体から離れてください。点滅ボタンをしっかりと押してください。」
FD2「ショック行きます!」除細動。通電し傷病者の身体が跳ねる。
AED「電気ショックを行いました。身体に触っても大丈夫です。」
FN「反応しません。」
AED「直ちに胸骨圧迫と人工呼吸を始めてください。」

FD1はBVM、FNは心マを再開。

FD1「ナースはアドレナリン準備。心マ誰か代わって。」

救急隊「代わります!」心マをFN→救急隊に交代。

再充電までの2分間にナレーションで一般の人々にもわかるよう状況説明。

「ただいまAEDと呼ばれる除細動器で、心臓が止まってしまった患者さんに電気ショックを与えましたが、心臓がまだ動いていないためもう一度電気ショックを行うために充電をしております。AEDでの電気ショックのほかにも、現在行っている心臓マッサージやアドレナリンという強心剤を使用したりしながら、患者さんの心臓をなんとか動かそうと一生懸命取り組みます。日々の医療現場でも、このように医師・看護師をはじめとして、さまざまなスタッフが連携をとりながら1人の患者さんを救うために尽力しております。」 


AED「胸骨圧迫と人工呼吸をやめてください。」
AED「身体にさわらないでください。心電図を調べています。」

蘇生中断。皆、再度身体から離れる。

AED「電気ショックが必要です。充電しています。」
AED「身体から離れてください。点滅ボタンをしっかりと押してください。」
FD2「ではショックします。ショック!」通電。
FN「あ、先生、心電図。心拍が再開したようです!」患者、動き出す。
FD1「安達さん!安達さん、わかる?わかる!?」
患者「う…はい…。」
FD1「血圧計って。」FN、血圧測定。
FN「血圧は今90/60に回復しました。」
FD1「頸動脈も触れます。よし、じゃ、ヘリで連れてくよ。ストレッチャー上げてください。」

救急隊がストレッチャーの高さ調整。
FD1、FD2、FN、整備士、DMAT、救急隊員でストレッチャーの傷病者をヘリに搬入。

ナレーション「先ほど一度は心臓が止まってしまった患者さんも無事一命をとりとめ、これからドクターヘリの中へ運ばれます。」

傷病者を入れて(サイドローディング)ヘリ右ドアを閉める。
FD達もヘリに乗り込み左ドアを閉める。
パイロット、整備士も乗り込む。

ナレーション
「無事患者さんが運ばれて、これで訓練終了となります。訓練を見せてくださったスタッフの方々へ、大きな拍手をお願い致します。」


後編へ続く