当院は病床数352床(うち回復期リハビリ病棟45床、地域包括ケア病棟47床)を有し、柏崎市および刈羽村を中心とした地域の約10万人を診療圏とする地域基幹病院です。
少子高齢化がずっと叫ばれてはいますが、抜本的な解決策はなく、地方都市での人口減少による諸問題はさらに深刻さを増しています。医療に関しては、人口が減少したとはいえ、柏崎・刈羽地域の広範囲の診療圏を担当している当院へ求められるものは大きく、救急医療を含めた現在の診療機能は堅持する必要があると考えております。さらに超高齢化社会への移行により、幅の広い医療も求められております。この点においては他施設との連携を促進し、急性期・亜急性期の患者様への対応に支障が無いようにしていきたいと思います。
しかしながら医師不足、ことに新潟県は深刻で、一部の診療科では常勤医を確保できておりません。また、働き方改革は医療従事者にとっても例外ではなく、このことがさらに医師の偏在化を促進し、地方都市の医師確保が困難になってきています。つまり、医師を地域から都市部の大規模病院に配置するということです(医師の集約化)。
残念ながら当院は地域の病院であり、診療科によっては医師の減少により診療内容の見直しが必要となる科もあり、地域の皆様にご迷惑をおかけするかも知れません。かといって遠方への救急搬送は勿論、小児・産婦・高齢者の方々が遠方へ通院するのはたやすいことではありません。そのため、この地で地域医療を担うべく、医師・看護師はじめ全てのスタッフが頑張ってくれています。
当地域の救急医療も中心となって支え(年間約2,500台の救急搬送)、ほとんどの疾病治療に対応しています。そしてそのいずれもが最先端の医療です。スタッフや設備の問題で、高度の医療は高次機能病院にお願いしなければなりませんが、日常の診療・治療に関してはすべて最新の医療行為です。
病院の理念として
- 患者さんが最善の医療を受けられるように努力します
- 温もりのある医療を提供します
- 患者さんの知りたいと思う気持ちを大切にします
が掲げられています。このことをこれからも大切にしていきたいと考えています。最新の医療=最善の医療ではなく、そこに温もりや人間の情がなければ最善の医療とは言えません。これまでどおり心の通った医療を心がけていきたいと思います。そんななかで信頼関係が構築され、地域の皆様へより良い医療が行えると考えています。
医学はいまだ完全ではありませんし、限界もあります。また、医療ニーズの多様化により、スタッフは日夜いろいろ多くの業務をこなし疲弊しています。病に苦しむ患者様が、病から回復されるのが私共にとっては何よりのことです。叱咤激励も必要ではありますが、時に励ましの言葉などかけていただければと思います。
私の専門は産婦人科です。次世代を担ってくれる新しいかけがえのない命が、一人でも多く誕生できるようにお手伝いをさせていただきたいと思います。
また、同様に医療においても次世代の後継者を育てなければ地域医療の継続は困難になります。若手医師・看護師などの研修・教育にも重点を置いていきたいと思います。もしこのような若手に接する機会がありましたら、暖かい目で成長を見守っていただければと思います。
地域住民の皆様が医療に関して安心して暮らしていただけるよう、スタッフ一同がんばりますので、ご協力お願いいたします。
病院長
相田 浩