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新潟日報「総合診療医のみかた」に丸山医師の寄稿記事が掲載されました

新潟日報の「総合診療医のみかた」に総合消化器内科内視鏡センター長の丸山正樹医師の寄稿記事が掲載されました。

詳しくは、新潟日報デジタルプラスをご覧ください。

https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/513194
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掲載内容はこちらです ↓

皮膚が黄色い 色素排出の流れに異常かも・・・疑わしい時は白目で判断、かかりつけ医へ相談を

 今回は、「皮膚が黄色い」状態についての診方(診察の視点)です。
 われわれの体内では、古くなった赤血球は脾臓で壊され「ビリルビン」という黄色い色素が血液中に放出されます。そして、肝臓に運ばれたビリルビンは、水に溶けやすい状態に処理されたのち、胆汁に溶け込み十二指腸へ排出されます。この一連の体内の正常な流れのどこかに障害が生じるとビリルビンの血中濃度が上昇し、皮膚が黄色くなる「黄疸」という症状が出ます。その障害部位により、黄疸の原因は大きく三つに分けることができます。

【1. ビリルビンが肝臓に入る前の障害】
 赤血球が病的に壊されてビリルビンが大量に血中へ放出されて黄疸を生じるのが「溶血性貧血」です。血液内科での精査が必要です。

【2. ビリルビンが肝臓の中に入ってからの障害】
 いわゆる「肝臓病」です。ウイルス、薬物、アルコール、自己免疫性疾患などのため、肝臓の機能が低下し、ビリルビンの処理や胆道への排せつが滞るため、肝臓からあふれてしまい、ビリルビンが全身に回り黄疸を生じます。急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎など原因は多岐にわたりますので、医療機関での精査が必要です。飲酒量やその頻度、常用する薬剤名やサプリメント名、海外渡航歴、生もの摂食歴、など詳細な問診が医師から行われることがあります。

【3. ビリルビンが肝臓から出た後の障害】
 「閉塞性黄疸」と言います。ビリルビンは、肝臓から胆管や胆のうを経て十二指腸へ排出されますが、その経路のどこかが詰まると肝臓へ逆流して全身に回るため生じる黄疸です。主要な原因は、胆石や総胆管結石、腫瘍などです。

 「皮膚が黄色いかな?」と思ったら、白目の部分を見てください。ここが黄色いと黄疸と診断されます。皮膚搔痒感や腹痛、発熱、白色便、濃尿などの症状を伴うことがあります。黄疸を認めた場合は、医師に相談してください。だたし害のない黄疸(体質性黄疸)の人が、実は人口の数%はおられますので、慌てないようにしましょう。
 なお、貧血があるときも皮膚が黄色く見えることがありますので注意が必要です。中でも鉄欠乏性貧血には消化管系の腫瘍が潜んでいることがあります。一般検診、胃がん検診、大腸がん検診は定期的に受け、早期発見に努めましょう。一方、みかんを食べすぎた後に手足が黄色くなるのは柑皮症です。白目も黄色くはなりません。しかし、長引く場合は脂質異常症などの除外が必要ですので、かかりつけ医にご相談ください。

新潟日報朝刊2024年11月18日付掲載

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